Houyhnhnm というWEB MAGAZINEにてインタビューが掲載されました。
「心に響く、日本の文房具」という特集で子供の頃からそばに会った鉛筆、10代からデッサンやお仕事でいつも愛用している、三菱鉛筆さんと対談しました。
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その中の特集コーナP35「心に響く、日本の文房具」にて三菱鉛筆、広報担当の飯野さんと対談させて頂きました。
是非ご覧下さい。
対談はとても楽しく時間も忘れる程まだまだお話したいと思うくらいで、
掲載の文字数の関係でいろいろなお話を割愛せざるを得なく、それがとても心残りで、
編集の中澤さんに相談して、
今回私のブログにて打ち明け話的にお話出来る機会をつくることになりました。
飯野(以下/飯)いつからuniを使っているんですか?
KYOTARO(以下/K)高校生時代に受験の為の静物デッサンで使うようになって、17年くらいです。Hi-uniをずっと使ってます。
飯/うれしいです! 作家さんとお話する機会は少ないので緊張します(笑) すごくカワイイ作品、どうやって描いているんですか?
K/ほとんどが紙に鉛筆です。キャンバスの場合は下地にジェッソを塗り込め、その上に鉛筆で描いています。
飯/よく使う鉛筆の硬度って?
K/紙ならHBを良く用います。こまかい線はH、2H。塗りつぶすところはBなどを使っています。キャンバスの場合は2Bから9Hまで幅広く使用します。
飯/HPを拝見したんですが、化粧品メーカーのお仕事もされていますよね? 実は、そのブランドのアイライナーは当社が手がけていまして。文房具の応用技術で化粧品開発も行っているんです。
K/そうなんですか!? 凄い!技術提供されていらっしゃるんですね。なんだかご縁がありますね(笑)
飯/絵を描くようになったのはいつからなんですか?
K/小さい頃からよく絵を描く子で、小学校3年生ぐらいからマンガを描きはじめたのが最初です。漫画家では手塚治虫さんとか宮崎駿さんが好きで。絵描きさんではアラン・アルドリッジさんの絵に影響を受けています。短大ではグラフィック専攻だったので、絵画としての落とし込みを始めたのは東京に上京してからで、今の画風はほぼ独学で築きました。
飯/鉛筆を作品に取り入れるようになったキッカケはなんですか?
K/鉛筆で描いた下絵の方がペン入れしたものより仕上がってるな、と感じて。ペン入れした途端鉛筆の線が死んでいくのが許せなくなって、だったらコレのこのまま鉛筆でいこうと(笑)。私の頭の中のイメージを忠実に再現できるのは鉛筆だ!と。 そこが鉛筆をメインにしたキッカケです。
飯/作品に登場するキャラクターはどうやって生まれるんですか?
K/いつも頭に出て来るシーンやキャラクターがいるんです。何処かへ行ったり、本を読んだり、人と話したり、映像を見たりだとか、それらの情報の中に潜んでいるイメージが私の頭の中に送られると言う様な感じです。鉛筆だと特にイメージしたものを、絵に落としみやすいんですよ。
飯/下描きしてから描く?
K/じかに土台におおまかな線を描いて下絵から消しゴムで消しつつそのまま仕上げていくようなイメージですね。そのキャンバスの上で料理する様な感じです。
飯/実際の作品って、どれくらいのサイズなんですか?
K/畳一畳くらいのサイズの絵も描きますよ。それより大きなサイズも描きます。逆にとても小さな絵も描きます。
飯/かなり大きいんですね!
K/5m×7mの壁に絵を描いた事もあります。その時は40本以上使いました。
もっと大きなものもいけると思います。昔から拡大縮小が自在でした。
飯/キャンバスからカベにはみ出して描いてあるのもありますよね。
K/「天界トリップ」の時ですね。あれは飾ってからなにか物足りなく感じて、展示にグルーヴ感が欲しかったので。その時も鉛筆を何本も使いました。壁に描くときなどは安めのユニを使います。もったいないので。ははは。
K/三菱鉛筆のルーツについて教えてください。
飯/明治20年、眞崎仁六により「眞崎鉛筆製造所」として創業しました。今年で創業125年になります。1878年、当時のパリ万博で鉛筆と出会った眞崎仁六が、明治34年に国内で開発した、郵便局員向けの「局用鉛筆」という製品から鉛筆の量産がはじまりました。当初は三種類の硬度しかなく、その3本を組み合わせてつくられたのが当社の三菱マークなんです。
K/はじめは丸軸だったんですね。
飯/これには諸説あって、筆になれた日本人のためという説と、箔の刻印を押す際に六角と比べて押しやすかったという説があります。
K/郵便屋さんの実用品だったんですね。消しゴムで消せるというのも画期的だったそうですね。そんなストーリーがあったとは……。
飯/そうなんです。そこから1958年になってuniが誕生しました。2008年に50周年を迎えて。そう、ちょうど東京タワーと同い年です。
K/鉛筆の芯は硬度によって質がちがいますが、どうやって違いを出すんですか?
飯/鉛筆の成分は黒鉛と粘土で、その割合で硬度に差をつけています。例えばHBの場合、黒鉛七割に対し粘土三割というように。それを混ぜて焼き、熱い油につけ込むことで芯になるんです。
K/黒鉛と粘土ですか!
その割りあいで濃淡を作るんですね。なにか硬度によって全然違うものを混ぜているんだと思っていました。
飯/陶器と同じで、焼くと固まる粘土がその役割を担っています。なので、硬いH系の芯は粘土の割合が多いということになりますね。
K/硬い芯は粘土が多く黒鉛が少ない、なるほど〜。だから硬い鉛筆は黒鉛で手が汚れにくいんですね。
飯/KYOTAROさんもお使いのHi-uniは、10B〜10Hまで全22硬度。現在、世界最大の硬度幅なんですよ。
K/硬度一つ一つに役割と個性があって、並ぶとカッコイイですよね。まだ使った事がない硬度もあります。存在感が美しいし。見とれちゃいます。
飯/uni、使われていかがですか?
K/滑らかさが断然ちがいますね。海外製品だとたまに描いた線がダマになったり、ガリガリ感があったり乾いた感じがするものもあって……。
飯/おっしゃる通り、当社は黒鉛と粘土を均一に細かく微分化する高い技術を持っているので、ダマにならない滑らかな描きあじと黒さ、そして硬さを兼ね備えた鉛筆をつくることができるんです。
K/だからこんなに深みがある色が出るんだ。独特の“ぬめり”があってキレイに描けるし、芯も減りにくい。色の絶妙な照り具合とか、他では出ないと思いますよ。
湿度の高いイメージの絵に仕上がるのですが、uniはちゃんと期待に応えてくれます。絵に対して感情ものせやすいんです。慣れもありますが。
飯/ありがとうございます。描き味については、絵を描かれているKYOTAROさんの方がご存知ですよね(笑) 通常、濃い鉛筆ほどやわらかいため減りが早いのですが、uniは開発当時から、濃く硬い鉛筆を作っていこうというのをコンセプトに掲げていました。職人たちの合言葉は“Bの濃さでHの硬さを”だったそうで、現在の製品ではその理想を実現しています。
K/すばらしい! 使っていて、そのことはしっかり伝わっていますよ。HBひとつとっても、タッチの強弱で濃淡がしっかり出るし、実際にHBはいちばん使っていますよ。なんだか感慨深いお話です。
K/使用する素材の善し悪しは製品にも反映されるんですか?
飯/天然素材を扱うので素材の差は出ますが、徹底した品質管理で製品は常33におなじクオリティーです。ISO(工業製品の品質基準)の塗膜検査に採用されているんですよ。それくらいuni製品の高度な均一性が認められています。
K/高い品質管理を維持出来るなんて、まさに日本の誇りですね。なぜいつでもどこでも売っているかなんてあまり考えていなかったのですが、そこまでの品質管理をしているからなんですね。
K/鉛筆の研究開発はどのようにおこなってらっしゃるんでしょうか?
飯/「ユニカラー」などの色鉛筆は、あたらしい色の開発も行っています。uni誕生50周年に、240色のユニカラーセットを5,000セット限定で発売したりもしました。
K/この微妙な色のグラデーション、美しい! こんなにたくさんの色鉛筆、初体験です。
飯/職人からは、微妙な色の差を出すのが難しいと聞いています。
グレー系の色がそろっているのは珍しいそうですよ。それに、塗料の違いもあって、芯と軸の色をあわせるのも大変だったみたいで。
K/職人さんの苦労が伝わって来ます。。軸と芯の色が綺麗にあっていて美しいです。。そういわれると軸の塗装は別物ですものね。。芯の色と軸の色、計480色作った事になる。っておっしゃってましたよね。いちばん作るのが難しかった色はどれなんでしょう?
飯/「スノーホワイト」です。ワックスが黄味がかった色なので、純白を作るのはこれまで不可能とされていました。ちょうど50周年を期に職人たちが挑戦し、試行錯誤の末、完成させた色で、開発に一年以上掛かりました。
K/発想の転換。不可能を可能に。まさに職人魂。
その人たちがuniの色を支えてるんですね。ブラボー!
飯/ほかにも、描いた上から油絵で使うテレピン油でなぞると油絵風のタッチに変化する、「ペルシア」というシリーズもあります。
K/良いですね〜コレ。素敵なアイデアの商品ですね。作品づくりに役立ちそう!
K/通常の鉛筆と色鉛筆の芯は、成分が違うんでしょうか?
飯/色鉛筆の芯は顔料をワックスで固めています。このワックスの硬さや成分を変えることで、芯の硬さやタッチに差を出しています。水溶性のワックスで水彩絵の具のような雰囲気にもできるんですよ。
K/それぞれの鉛筆にこだわりの技術と、職人さんの魂が宿っているんですね。
K/特別な製法の鉛筆などもあるんですか?
飯/最近では、児童向けの書き方鉛筆で、工業用ナノダイヤを芯に混ぜた世界初の「ナノダイヤえんぴつ」という製品があります。筆圧の定まらない子供でも、滑らかかでキレイに書けるんですよ。
K/どういう仕組みなんですか?
飯/成分の黒鉛というのは球体ではなく、鱗片状といって魚のウロコのようなかたちをしているため、芯が削れる際に摩擦が生じます。通常の鉛筆は油をしみ込ませることで滑らかさを生むのですが、この製品の場合は黒鉛のすきまにナノダイヤを入れることで、さらに書きあじを滑らかにしています。
K/日本の文房具って、そこまで精度の高い技術でつくられているんですね。あらためて、関心です。
飯/KYOTAROさん、uni製品に、なにか見いだせましたか?
K/当たり前に無意識に使っていた製品なので。作っている方にお話をうかがうと、有り難みをもって使えるようになります。まさか、ここまでこだわって作っていたのか、と、お話を聞かなくては全く知らなかった事柄ばかりで、「鉛筆のブランド」というな固まってしまったイメージの枠を超えて、他の製品も試してみたい気持ちになりました。これだけ素敵なツール、絵描きさんはみんな食いつくと思いますよ。新商品や開発に時間をかけるという、会社のコンセプトや開発者の方々、職人さんや製品にたずさわる方々の熱意と魂が伝わって来て非常に感動致しました。職業柄、興奮しっぱなしでした。わたしも触れて良さがわかった製品もいろいろありますしいい文房具に触れていると、なんだか、新しい何かが開花しそうです。。。試し描きのイベントとかやって欲しいです。
I/いいですね、楽しそう(笑)
という後半私、三菱鉛筆ラブ子さん、みたいになってしまい。。
テンション上がり過ぎて恥ずかしいですが。
もともと三菱鉛筆ラブだったのですが、まさかこんなふうな背景があったとは。
絶対聞かなきゃ分からないっすよ。
完全に惚れ直しました。
飯野さんもとっても素敵な方で。
いや〜〜楽しかった〜〜〜。
編集の中澤さん、カメラマンの永留さん。
ありがとうございました。
飯野さんありがとうございました。
飯野さんにペリシアとHi-uni22硬度セットを頂きました。
これで新作作ろうと思っています。
出来たらまたお見せしますね!!
お楽しみに!!!!!!!